理系大学生の日記

考えたこと、調べたことを気ままに書いています。分かりやすく、読みやすい記事を心がけています。

ピッチャーの勝ち運を調べてみた! ②データの分類

2019年パ・リーグ最優秀防御率の山本由伸投手。勝ち星は8でした。防御率がいいから多く勝てる訳ではないようです。山本投手の投球内容と勝ち運の関係を考察してみます。(この記事は思考実験の続きです。シリーズ2本目の記事です。)

目 次

 

前回導入した"投球内容"と"勝ち運"の指標

前回の記事では、投球内容と勝ち運という、数値で表現し難い概念を数値化しようと試みました。その結果が次の2つです。

投球内容を評価する指標
Y=(投球回)/(防御率)
(Yが大きいほど多く勝てると期待できる)
勝ち運を評価する指標
X''=(勝率)×(勝利)/(登板数)
(X''が大きいほど実際に多く勝てた)
ここで、勝率は"投手に勝ち・負けがついた試合のうち、勝ちがついた試合の割合"です。25試合に登板し、15勝2敗なら勝率は15を15+2=17で割ることによって計算できます。25試合に登板したことは一切関係ありません。60試合に登板しようが、15勝2敗なら同じ勝率です。
また、分かりやすくするため、
(投球内容)=(投球回)/(防御率)
(勝ち運)=(勝率)×(勝利)/(登板数)
と書くことにします。どちらも数値が大きいほどよいという意味です。
 

過去3年のデータ

過去3年(2017-2019年)のセパ両リーグの規定投球回到達者のデータをもとに、 各投手の勝ち運と投球内容を算出しました。

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グラフから、次のことが言えます。

  1. ほとんどのデータが緑の楕円に含まれることが分かります。ここでは投球内容が良いほど、勝ち運があると言えるように思えます。(右肩上がりに見えるからです)
  2. 逆に、緑の楕円から外れたデータもいくつか見られます。深緑の点で示した多和田投手(2018年,防御率3.81 16勝5敗)をはじめとした、投球内容の割には勝ち運に恵まれた投手もいれば、赤の点で示した山本投手(2019年,防御率1.95 8勝6敗)のように、投球内容の割には勝ち運がなかったと言える投手もいます
橙色の楕円(2つ)で囲んだデータ(6つ)は、投球内容が70以上だったデータです。勝ち運に恵まれた投手も、恵まれなかった投手もいます。
これから、橙色の楕円で囲んだ 投球内容70以上 のグループと、それ以外のグループに分けて議論していきます。前者を 投球内容が優秀なグループ と、後者を 投球内容が平均的なグループ と分類します。
ちなみに、このデータに含まれない先発投手は、投球内容が平均以下のグループ とします。平均以下のグループは、頻繁に打ち込まれたりスタミナ不足、故障などにより規定投球回に届かなかったと解釈します。
まとめ
投球内容によってグループ分けして考える。
投球内容が優秀なグループ = 投球内容70以上
     平均的なグループ = 投球内容70未満
 
この記事はここで終わりにします。
次回は、投球内容でグループ分けした理由について解説します。