【3ラン四球】なんで四球で3点入るの?
2019年9月24日、ZOZOマリンスタジアムで行われた、西武対ロッテの試合で起こった珍しいプレイです。
ロッテの投手・チェン選手の投球が四球(フォアボール)となり、西武の打者・秋山選手が出塁することになりました。
塁は全て埋まっていたため、普通は押し出しで1点が入る場面です。
しかし......
なんと3点も入ったのです。
何が起こったのか、簡単に説明していきます。
まず、西武とロッテの選手はユニフォームの色で区別できます。
- 西武(攻撃)は 上:紺色、下:白
- ロッテ(守備)は 上下ともに白
目 次
そもそも四球って何?
Four Balls
投手は、1打席でボールを4球まで投げることができます。
ボールを4球投げると四球(フォアボール)となり、打者は一塁へ進みます。
ここではボールは、「ストライク」と対になる「ボール」を指します。
テレビ中継や球場では、次のような表示が見られると思います。これはボールが3つという意味です。
この記事では緑色の太字を使って「ボール」と表記し、道具のボールと区別します。
ただし、一塁走者がいる場合は、一塁には打者が入り、一塁走者は二塁へ進みます。さらに、二塁走者がいた場合は、二塁走者が三塁へ進みます。
「一塁走者」とは打者が四球で一塁へ進む前にもともと一塁にいた走者です。「二塁走者」「三塁走者」についても同様です。
押し出し四球
満塁だったこのケースでは、本来は四球によって
- 打者は一塁へ進む
- 一塁走者は打者に一塁を明け渡し、次の二塁へ進む
- 二塁走者は一塁走者に二塁を明け渡し、次の三塁へ進む
- 三塁走者は二塁走者に三塁を明け渡し、次の本塁へ進む
というような要領で、1人が本塁へ帰り1点入ることになるはずです。
各走者が玉突きでそれぞれ1つずつ進塁するという訳です。
ポイント
- ボール4つで四球。打者は一塁へ進む。
- 四球のとき、詰まっている走者は1つ進む。
ボールが遠いほど攻撃側が有利!
ボールから逃げる攻撃
以前の記事で紹介した通り、攻撃チームはボールをできるだけ遠くへ飛ばそうとします。
正確に言えば、守備チームの野手から遠い場所へボールを運ぼうとします。
守備チームの選手は、ボールを使ってアウトを取るからです。
ポイント
- 守備チームの野手は、ボールを使って攻撃チームからアウトを取る
結局何が起こったのか?
パスボール
まず、投手(ロッテ)が投げた4つ目のボールは、後ろに逸れてしまいました。
捕手が捕れなかったからです。
したがって、ボールは走者3人と打者(西武)から遠ざかりました。
走者と打者は、アウトにされる確率が下がったということになります。
ですから、ボールが遠ざかりアウトにされる確率が下がった隙に本塁の方へ進む訳です。本塁に近いほど、本塁に帰れるチャンスが高まります。言い換えれば、得点を増やすチャンスということです。
悪送球
しかし、ロッテ(守備チーム)は西武(攻撃チーム)の得点を増やしたくありません。
そこで、ロッテ(守備チーム)の野手は走者の方へボールを投げます。ボールを持ったロッテ(守備チーム)の野手は、西武(攻撃チーム)の走者にタッチしようとします。
西武(攻撃チーム)の走者が本塁に触れる前に、ロッテ(守備チーム)の野手が走者に触れればアウトを取れます。ちなみに、走者たちは進塁する義務がないので、タッチプレイになります。
タッチプレイを行うため、走者に一番近い野手にボールを渡そうとしたのに、その送球が悪送球となって取れず、走者からボールが遠ざかるということを繰り返しているうちに3人がホームに帰ったのです。