一軍でヒットを打った選手は何人?【後編】
今までプロ野球の一軍でヒットを打った選手の人数を、「べき乗則」によって推定してみたいと思います。前編では、どうして「べき乗則」によって推定することにしたか解説しました。本記事は前編の続きです。実際に人数を推定するところまで進みます。
目 次
一軍でヒットを打った選手は ◯ ◯ ◯ ◯ 人!
一軍での通算安打数を多い順に並べ、順位を付けました。それぞれの組み合わせを下図に ● で示しました。y 軸は対数目盛です。データは歴代最高記録 安打 【通算記録】 | NPB.jp 日本野球機構にあったものを利用しました。
そして、順位(x軸)と通算安打数(y軸)の関係が「べき乗則」に従う、つまり
で近似できると仮定すると、最小二乗法によって
となることが分かります。決定係数も0.93と1に近いので、「べき乗則」は適切なモデルだと考えてよいでしょう。
このモデルにおいてy=1となるときのxの値を、「一軍でヒットを打った選手の人数」とみなします。順位は安打数の多い順に並べてあり、ヒットを打った選手は一軍での通算安打が1以上だからです。1安打の選手の通算安打数の順位が、一軍でヒットを打った選手の人数と同じという考え方です。
実際に求めてみましょう。
まず、 という関係式から
という式を導くことができます。
この式にy=1を代入するとxはおよそ1566(四捨五入した値)となります。
したがって、今まで一軍でヒットを打った選手は1566人いる、と考えることができます。
まとめ
- 通算安打数にも「べき乗則」が適用できる!
- 今まで一軍でヒットを打った選手はおよそ1600人と推定できる!